■GSXエンジンは壊れない。
四半世紀前、スズキは世界最速の性能と耐久性を持つ4ストロークエンジンの開発に着手。大陸横断連続走行や鈴鹿8耐と同等の加減速を4日間連続かけ続けるベンチテストなど、常識的ではない過酷な試験を繰り返した。その結果完成したタフなGSX4バルブエンジンは、21世紀の現在でもドラッグレースで最速の座に君臨している。当時のスズキ二輪設計部長だった横内悦夫氏は今でも「オイル交換さえきちんと行っていれば10万km走っても壊れない」と断言する。
■本当のカタナは極低速からのクランク・トルクで走る。
しかも“ただ壊れない”だけのエンジンではない。ベストコンディションのGSX4バルブエンジンは、現行車では希薄になってきたクランクがダイレクトに車体を押し出す「ズ太いトルクに乗る感覚」を体感できるのだ。
アクセルを開けた瞬間から、サッカーボールが蹴飛ばされたように加速する感覚は、大柄な車体のカタナに対して抱いていたイメージを根底から覆すほど。実はそれが当時の設計者が狙っていた「感覚性能」なのである。
■感覚性能を甦らせるメンテナンスメニュー。
残念ながらベストに保たれ、本来の「感覚性能」を発揮しているGSX4バルブエンジンは減少しました。しかし、それを甦らせることは可能です。当社では『独自の理論に基づいたタペット調整・完璧なキャブレターオーバーホール・対策済センターロックナット装着』を行うことで、ほとんどの場合本来の「感覚性能」を取り戻せるという結論に達し、メンテナンスプランにしました。
現状の性能に疑問を感じているなら、一度当社の完全整備済みの「ヘリテイジモデル(10年10万キロ保証付GSX1100S刀)」に試乗してください。カタナ本来の「感覚性能」を知ると同時に一つの指標になるはずです。
1) キャブレターオーバーホール
カタナのキャブレターは
・パイロットジェット部に使用しているゴムがガソリンに浸かっていて劣化しやすい
・フロートの構造上油面が狂いやすい
・ダイヤフラムの状態でレスポンスが左右される
等の弱点があります。それらを的確にチェック・交換・調整した後、最終的に走行常温によるバキューム調整を行います。(キャブのO/Hは2年ごとが理想です)
2)バルブクリアランス(タペット)調整
ロッカーアーム左右のクリアランスが狂うとカムに負担がかかるデリケートな1カム2ロッカー方式のタペットを完璧に同調させます。同時にヘッド廻りのコンディションの確認をします。
※錆びやすいヘッドカバーボルトをステンレス製に交換することをお勧めします。
2) クラッチセンターロックナット交換及び対策
クランクが重くクラッチハウジングにかかる負担が大きいため、ロックワッシャーの有無に関わらず緩みやすい純正のセンターロックナットを、対策済みの油冷エンジン用ロックナットと交換します。
4)100ヶ所点検
当社独自のチェックシートに基づき、100ヶ所の点検を行い、チェックシートをお渡します。この診断により不具合が発見された場合、整備や対策のご相談も承ります。
キャブレターオーバーホール及び調整、バルブクリアランス(タペット)調整、オリジナル100項目点検との3点セットで、メンテナンスプランAセットをご利用いただいたことのある方のためのプランです(センターロックナット対策を省いています)。
※キャブレター本体外側において清掃が必要と判断される場合は別途洗浄費を必要とします。