長らくご愛顧いただきましたGSX1400Sにつきまして、2018年にて生産を終了させて頂きました。永年に渡りご愛顧いただきありがとうございました。
※弊社にて販売させて頂きましたお客様の車両に関してのメンテナンス等は、当然今後につきましてもご対応させて頂きます。ご安心ください。
「最近、魅力的な国産車が少ない」ここ数年聞かれる言葉である。
確かにモーターサイクルが大人の趣味として認知されてきた現在、国産車の登録台数が横這いなのに対し、BMW、ドゥカティ、ハーレーをはじめとする外国車の輸入登録台数は増加傾向にある。文化のまるで異なる国で創られたモーターサイクルは動力性能・デザイン・存在感と、良くも悪くも日本製とは一線を画したもので、いわゆる「大人のライダー」にしてみればとても魅力的な存在である。しかし本当に日本のオートバイでは「大人」は満足できないのだろうか。
その問題にユニコーン ジャパンは真っ向から取り組んだ。というと大げさに聞こえるかも知れないがMVアグスタやBMWといった世界のモーターサイクルを扱ってきた経験から「存在感があり上質の走りと所有する満足感を満たせるカタナ」というコンセプトでGSX1400Sを開発した、とユニコーン ジャパン代表池田氏は語る。日本が誇る並列4気筒というエンジンレイアウト、DOHC16バルブ・油冷1400cc+フューエルインジェクション、極太鋼管ダブルクレードルフレーム、インナーチューブ径46mmのフロントフォーク、軽量アルミスイングアームに前後17インチワイドホイール。これらを装備しSUZUKIのフラッグシップと呼ぶのにふさわしいGSX1400と日本の伝統を受け継いできた“カタナ・デザイン”を高次元で融合させたのがGSX1400Sである。
しかしサイズ、設計、装備がこれだけ異なる車両にカタナデザインを融合させることは容易ではない。試行錯誤の結果、ほぼ全てが新設計の専用パーツとなった。それらは形状だけでなく、質感や仕上げも追求された。そして何よりもこだわったのがライディングポジション。ステップの位置を決めるためだけに数種類ものプレートが製作され、テストを繰り返した。その結果、誰もが1400ccの排気量を持つ車体を気負わずに楽しむことができる理想的なポジションになった。あまりに自然な故に気付く人も少ないが、これも本来カタナが持つデザインの優秀性を意味する。また「自然なこと」を追求するのがいかに大変な作業かをあえてここで細かく記すつもりはないが、メーカーと同等かそれ以上のテストは全て「このカタナに乗るユーザーの期待を裏切らないため」と池田氏は話してくれた。
日本が誇るべきカタナというモーターサイクルを現代版としてリファインし、永く残していきたい。その情熱とカタナをはじめ多くのオートバイを整備・カスタムしてきた技術があったからこそGSX1400Sは生まれた。そしてコンセプト通り「大人が満足できるクオリティの高いモーターサイクル」としてユーザーに認知され「スポーツ・グラン・ツーリスモ」という位置付けがなされた。
“スポーツ・グラン・ツーリスモ” という位置付けがされたGSX1400SのスタイリングはフラッグシップGTとしての気品と風格を併せ持った存在感のあるもの。アルミ叩きだしガソリンタンク、チタンコートスクリーン、カーボン製の外装類、チタンコーティング・ゴールドインナーチューブなどの装備は市販量産車を完全に超越している。(写真の車両はオプションパーツ装着車)
カウル、サイドカバー、タンク、テールカウルはGSX1100Sカタナの外装部品を型取りしてGSX1400S専用に設計された。シートは体重移動しやすく質感の高いスウェードレザーを使用。内部のスポンジもGTの乗り心地とスポーツライディングを両立させるための専用品を開発。
リアタイヤは6.00インチのホイールに190/50-17というサイズを装着、堂々としたリアビューを構成する。アルミ中空スイングアームを支えるオーリンズリアサスペンションは車重の軽くなったGSX1400Sに合わせ、全長、ダンピング特性、バネレートを専用設計。フィールドを問わず快適な走行フィーリングを提供する。写真の集合マフラーはオプションで、STDはメッキ左右2本出しでタンデムステップ付きで2名乗車可能
スズキ伝統の油冷を採用した並列4気筒としては世界最大の総排気量1401cc、DOHC16バルブエンジンは完全新設計。放熱フィンを備えた外観は機能的で存在感がある。シリンダーヘッドカバー両端や放熱フィン端、各部カバー類にバフ仕上げを施して質感を上げている。バルブ駆動方式もカムシャフトが直接バルブを作動させる直打式とし、さらにバルブステム径をφ5.0からφ4.5インナーシム式としてメカニカルロスを低減している。
1401ccの発するパワーをより扱いやすくするオートチョーク装備のフューエルインジェクションシステムは2枚のスロットルバルブを持ちインジェクションにありがちなドン突きを無くし、フィールド、気候に左右されないスムーズなスロットルレスポンスを実現。
GSX1400SにはACTIVE9インチ16段ラウンドオイルクーラーとEARLS#8フィッティング(黒/金)を採用している。
摺動抵抗が少なく、サビ、キズにも強いチタンコーティングが施されたインナーチューブは外径46mmという高剛性なもの。フォークは伸側・圧側の減衰力とイニシャル荷重が調整できる倒立サスと同じカートリッジ式フルアジャスタブルタイプ。インナーチューブガードも装着。リアには軽量・高剛性のアルミ角断面スイングアームに1400カタナ専用設計のオーリンズサスペンションが取り付けられ、より上質な走りを実現している。
フロントブレーキは320mm径ディスクローター+トキコ製アルミピストン対向6ポットキャリパーを組み合わせ、強力なストッピングパワーを確保。(写真の車両はオプションのSunstar製スリットディスクローターに変更済み)リアは260mm径ディスクローター+対向2ポットキャリパー。
フロント3.50-17、リア6.00-17のホイールにはそれぞれ120-70/17、190-50/17というワイド・ラジアルタイヤを装着、ストリートからサーキットまで安定した走りを支えている。
■ 寸法・容量・重量
・全長/2,160mm
・全幅/810mm
・全高/1,140mm
・ホイールベース/1,530mm
・キャスター/25.50度
・トレール/105mm
・燃料タンク容量/約20リットル
フロントカウル、サイドカバーは1100カタナと同形状のフルカーボン製。見る角度によって変色するチタンコートスクリーン、軽量プラスチックレンズを採用したRAYBRIGマルチリフレクターヘッドライト、カタナミラー、ハザードシステムを標準装備。
GSX-Rタイプワンウエイバルブエアブリーダー付きBEATER製アルミ叩き出しガソリンタンクは1100カタナと同形状の専用設計で外観のクオリティにこだわったシームレス溶接を採用している。
メーターはSTACKST500SR多機能メーターを標準装備。ハンドル切れ角は1100カタナより5度大きく取ってあり、ハンドルロックも別体式の1100カタナとは異なりメインキー一体式を採用。現行モデルからはイモビライザーが付き盗難防止対策としている。専用アルミ削り出しトップブリッジにはK-UNICORNロゴ入り真鍮プレートが取り付けられる。各種ワーニングランプは視認性の良い発光ダイオード。ブレーキ、クラッチマスター共にレバー調節可能なNISSINリザーバータンク別体式マスターシリンダー。
左右ステップはカタナのライディングポジションに合わせて設計された専用プレートで位置を変更。ラバーマウントとして振動対策を施し、疲労を軽減する。
シートはFRPベース、スポンジ、レザーが専用設計のキーロック式。シート下部には10リットルを越えるユーティリティースペースを確保しているので荷物の搭載には困らない。テールカウルも専用設計のフルカーボン
全長 | 2,160mm |
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全幅 | 810mm |
全高 | 1,140mm |
ホイールベース | 1,530mm |
最低地上高 | 130mm |
乾燥重量 | 207kg |
エンジン形式 | 油冷・4サイクル・4気筒 |
弁方式 | DOHC・4バルブ |
総排気量 | 1,401cc |
ボア×ストローク | 81.0×68.0mm |
圧縮比 | 9.5:1 |
最高出力 | 100ps/6,500rpm |
最大トルク | 12.8kg-m/5,000rpm |
燃料供給装置形式 | 電子式燃料噴射 |
燃料タンク容量 | 20リットル |
クラッチ形式 | 湿式多板ダイヤフラムスプリング |
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン |
ブレーキ形式(前) | TOKICO-6POT×2 |
ブレーキ形式(後) | TOKICO-2POT |
タイヤサイズ(前) | 120/70ZR17(58W) |
タイヤサイズ(後) | 190/50ZR17(73W) |